件(くだん)とは?妖怪?ミイラがあるって本当?正体は?
今回は「件(くだん)」にまつわる都市伝説についてご紹介します。「件」という妖怪をご存じでしょうか?ミイラがあるという噂もある?正体は何なのかについてもご紹介していきます。
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件とは?頭が人で体が牛の妖怪!?
「件(くだん)」とはいったいなんなのでしょうか?詳しくご紹介していきます。
「件」とは?くだんの意味は?
そもそも「件」とはどういう意味なのでしょうか?「件」という漢字には音読みの「けん」、訓読みの「くだり」「くだん」という読み方があります。意味は以下の通りです。
- 「けん」・・・問題に取り上げられる事物。あるいは事柄や事件を数えるのに用いる。
- 「くだり」・・・くだること。長い文章の一部分。前にあげた事柄。
- 「くだん」・・・例の。前に話していたこと。
都市伝説でいう「件」は「くだん」と読みますが、こちらは妖怪の事を指しています。「件(くだん)」とはどのような妖怪なのでしょうか?ここからは妖怪の「件(くだん)」についてご紹介していきます。
件(くだん)とは?頭が人で体が牛の妖怪!?
妖怪の件(くだん)とは、19世紀頃から日本で語り継がれている妖怪です。19世紀前半頃から西日本で多く目撃されたと言われているようです。
件(くだん)は頭が人で体が牛の姿をしていると言われています。しかし明治中期には頭が牛で体が人間の姿という件も出現したと言われています。
件(くだん)という名前の由来ですが、「件」を分解すると「人」と「牛」という字になるから、半人半牛のためこのように呼ばれているとも言われています。
他の説では、中国に「白沢(はくたく)」という人面の獅子が由来だという説もあるようです。
件は重大な予言をして死ぬ!?
そんな「件(くだん)」は、人間の言葉を話すと言われていて、生まれると数日で死んでしまうと言われています。
死ぬまでに、作物の豊凶や戦争、流行病など、重要な予言をしてそれは必ず当たるんだそうです。
そのため「件(くだん)」が現れると、歴史にも残るような大凶事が起こると言われ、多くの人に恐れられてきたのです。
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件(くだん)の目撃の言い伝えは?
それでは、「件(くだん)」の目撃の歴史はどうなっているのでしょうか?
件(くだん)の最古の目撃情報は?めでたいものだった?
件(くだん)の最古の情報は宝永2年(1705年)12月で、件が現れた翌年から豊作が続いたと瓦版に記載があったようです。
文政10年(1819年)5月13日条の「密局日乗」という日記には、防州上ノ関の民家の牛から人面牛身の子牛が生まれ、件と名乗り、豊作とその後兵乱が起こると予言したという記述があります。
文政10年(1827年)には越中国立山に獣身人面の怪物があらわれて「くだべ」と名乗ったそうです。「これから数年間疫病が流行し多くの犠牲者が出る。しかし自分の姿を描き写した絵図を見れば、その者は難を逃れる」と予言したそうです。
天保7年には、丹後の国の倉橋山にて「件(くだん)」が出現したと言われています。
瓦版に人面牛身の件の姿が描かれていて「この件の絵を貼っておけば、家内繁昌し疫病から逃れ、一切の災いを逃れて大豊年となる」とされていました。
つまり、件はめでたいものとして言われていたこともあったのです。
件が人間の家畜から生まれる説が浮上?
先にご紹介したとおり、件は突如現れるものだと語られてきたのですが、幕末頃になると件は人が飼っている牛が生むという説が浮上し始めます。
慶応3年(1867年)4月の「件獣之写真」という瓦版には、「出雲の田舎で件が生まれ、『今年から大豊作になるが初秋頃より悪疫が流行る。』と予言し、3日で死んだ」とあったようです。
次第に件が出現し戦争を予言する噂が浮上
その後、次第に件が戦争の予言をしたという説が増え始めたようです。
明治42年(1909年)6月21日の名古屋新聞に、10年前に五島列島の農家で、家畜だった牛が人の顔がある子牛を生んで、生後31日目に「日本はロシアと戦争をする」と予言し死んだと掲載されていたそうです。
昭和5年(1930年)頃には香川県で、昭和8年には長野県で、件が「まもなく大きな戦争があり、勝利するが疫病が流行る。しかしこの話を聞いて3日以内に小豆飯を食べて手首に糸を括ると病気にならない。」というような予言をしたそうです。
第二次世界大戦中にも件が出現し、船倉や空襲などに関する予言をしたという話があります。
件は災害も予言?
その後、件は阪神淡路大震災や東日本大震災の際にも出現したという噂があったようです。
件(くだん)のミイラが存在する!?正体は?
目撃談もたくさんある件(くだん)ですが、ミイラが存在しているという話もあるようです。
本当なのでしょうか?件のミイラの正体とはいったいなんなのでしょうか?
件のミイラの正体は人工物!?
件(くだん)のミイラが存在しているという話は、日本全国いろいろなところであるようですが、どうやらその正体は人工的に作られたものであったようです。
件は日本でよく知られた妖怪だったので、全国のいろいろなところにある見世物小屋でよくミイラが作られ、公開されていたんだそうです。
件のミイラは本物も存在する!?
近年では、怪異蒐集家の木原浩勝氏が所有している件(くだん)のミイラ(剥製)が展示されていたこともあったようです。
2018年に名古屋で開催された「妖怪・ミイラ展~浮世絵から幻獣ミイラまで~」にて、日本で唯一現存する件(くだん)の剥製ということで展示されました。
五島列島の農家で生まれた件のミイラが存在!?
先にご紹介した明治42年の名古屋新聞に掲載された五島列島の農家で生まれたとされる件(くだん)は剥製にされて長崎県長崎市の八尋博物館に陳列されていたんだそうです!
しかしながら現在この博物館はすでに閉館しているそうで、剥製が今どこにあるのかはわからないそうです。
件(くだん)は実在する!?
今回は、件(くだん)という妖怪の都市伝説についてご紹介しました。件は古くから出現していたという記述が残っている妖怪で、最近では東日本大震災の際にも出現したという話もあります。
厄除けとしてめでたいものと、も言われていたことがありましたが、出現すると何らかの凶事が起こる妖怪と言われていて、恐れられてきた存在です。
件は実在している妖怪なのでしょうか?もしかすると、また歴史的な大事件を予言するために出現することもあるかもしれません。
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